病気のメカニズムと治療の方法を知って治そう、双極性障害

きれいに鉢に植えられた花

心理・社会的治療

気分安定薬と呼ばれる薬を飲んで治す。そういう治療方法が、双極性障害にはあります。
躁状態、うつ状態という「極端な気分」に振り幅が大きく触れてしまうことで社会との齟齬を来してしまうという双極性障害に対して、その中間に気分を落ち着かせる役割を持つ気分安定薬は効果があると言われているのです。

そういった「投薬治療」のほかに、もうひとつ、双極性障害という病気に対しての向き合い方があります。その名も「心理・社会的治療」と呼ばれている治療方法のことです。
その名前に現れている通り、心理・社会的治療において重視されるのは、双極性障害という病気にかかってしまった人に対して、その人の心理や、その人を取り巻く社会的な状況を視野に入れながら、状況を改善していくという治療方法です。
具体的には、この病気にかかってしまった人が、自分の心理状態や病気のことについて理解を深めるところから改善への道を開くという「心理教育」がひとつ。
また、自分ひとりではなく家族の人たちも一緒に、この病気についての知識を得て深く理解し、ともに病気を抑えるすべを学び、向き合っていくことを目指す「家族療法」があります。
その他、「認知療法」と呼ばれているものもあります。ひとつ目に挙げた「心理教育」と少し似ているのですが、これは、病気にかかってしまった人が状況を正しく「認知」することによって冷静に病気と向き合うところから、改善に向けて動いていきましょうというものです。
例えば、躁状態に陥ったとき、人はまさしく「矢も盾もたまらず」という形容どおりに、「前後の見境もない」という心理状態で物事を行い、その結果として周りに迷惑をかけてしまうということになりがちです。
そのことに、一転して訪れる「うつ」のとき、「自分が悪いのだ」と思いつめてしまうことがあるのです。もちろん、責任はどこにあるのかを考えるのは大切なことですが、「自分が悪い」という否定から入ってしまっては治るものも治りません。うつに拍車がかかってしまいます。
そこで、「これは病気によるものなのだ、病気が引き起こした状況なのだ」ということをきちんと「認知」することが必要なのです。

このようにして、投薬だけではない多角的な視線で、双極性障害の治療は行われなければならないのです。